※こちらの記事には、ワンちゃんが吐いた痰やエサの写真が掲載されています。ご了承の上、閲覧してください。
愛犬のニコルが巨大食道症と診断されてしまいました。
別名、食道拡張症とも呼ばれ、本来ペッタンコの状態の食道に空気が入り広がってしまい、その働きが低下してしまう事で食べた物をうまく胃まで運べなくなる症状。
事の発端と最初の診断
2019年8月14日頃からゴホゴホとむせるように咳をし、白い泡と透明で粘り気の強い痰のようなものを吐くようになります。水を飲む度にこんな症状が起こり、苦しそうで心配。
エサを食べた後も、同じように白い泡と透明な痰と共に食べたエサを嘔吐してしまいます。エサを吐く頻度は毎回ではないのですが、時にはエサを食べた後、一晩経った翌朝に、未消化のエサを吐くこともあり、なぜ消化されていないのか不思議でした。
8月17日動物病院で受診、風邪であろうということで、ミストを浴びる治療、抗生物質と整腸剤を処方してもらい様子を見ることになりました。クーラーを付けっ放しの部屋にずっといるので、そのせいかもねなんて話も先生としました。
こちらが、ニコルが吐き出した白い泡と透明な痰のようなもの。水っぽくみえますが、かなり粘着質で、ティッシュで拭きとろうとすると、吸い取るというよりも、掴み取る感覚に近いです。

体調回復せず
最初の診断から5日、処方されたお薬を与えて様子を見るも体調は回復せず、白い泡と痰を吐き出す回数も多くなっているような気さえします。食べたエサをそのままの量をまるっと吐き出してしまうことも。息も荒く苦しそうで、声もかすれてしまってます。これはさすがにおかしいなと思い8月22日に再診してもらいます。
こちらはエサを吐いた時の画像です。食べた後、苦しそうに咳き込み、最終的には吐き出してしまいました。食道に留まったままで苦しくて、吐出してしまったと思われます。画像は吐出物の一部です。食べた物全て吐いてしまった感じで、もっとたくさん吐きました。

再診の結果巨大食道症と診断される
再診時、レントゲンを撮影してもらうと、写るはずのない食道がくっきりと見えているとのこと。「これはおかしいですね。」と先生。
本来食道はペッタンコになっていて、空気も入っていないのでレントゲンには写りません。しかしニコルの状態は、食道に空気が入っており、食道全体が膨らんでたるんでしまっているような状態。
「巨大食道症」
と診断されました。
エサを食べてもたるんだ食道にエサが停滞してしまい、胃まで到達せずに戻してしまいます。水も然り。すぐ飲んで吐いてを繰り返していたのは、今で到達していなかったからだったんですね。ちなみに胃まで到達せずに吐き出すことを吐出、胃から出すことを嘔吐というらしいです。ニコルは嘔吐ではなく、ずっと吐出していたということになります。つらかったね。
巨大食道症になってしまった原因
巨大食道症には先天性と後天性があり、ニコルの場合は後天性が疑われるとのこと。後天性の場合には、以下の基礎疾患が原因で発症しているので、基礎疾患を見つけ出すことによって治療方法を見出していく感じ。
重症筋無力症
アジソン病
鉛中毒
重度の食道炎
食道遠位の狭窄
胃拡張捻転症候群
裂孔ヘルニア
甲状腺機能低下症
自律神経失調症
多発性筋炎/多発性筋症
筋ジストロフィー
蓄積病
全身性エリテマトーデス
延髄疾患
犬ジステンパー
胸腺腫
この中のどれに該当するかの特定は、消去法によってひとつひとつ否定していくしかないとのこと。この日は入院をし、翌朝から先生がACTH負荷試験をしてくれて「アジソン病」、そして「甲状腺機能低下症」についても否定されました。明らかに否定できるものを除いていくと、「重症筋無力症」が疑われるらしい。基礎疾患を特定するには、こちらについても否定できるのか別途検査をしていく必要があります。
喉頭麻痺
今回入院の際にバリウムを飲んでレントゲン検査をしてもらい、巨大食道症以外にも、喉頭麻痺を起こしていることがわかりました。喉頭麻痺を起こしていることにより、エサや水が少量気管に入ってしまっているとのこと。
咳をしたりゼーゼーと息苦しそうにしていたのは、喉頭麻痺により水などが気管に入ってしまっているせいでした。白い泡や透明な痰は、気管に入ってしまったものを吐き出していたようです。苦しかったね。
巨大食道症への対応策
巨大食道症の場合は、普通にエサをやると胃に入っていかないので、立位での食事となります。立ったまま食べさせて、食後15分ほどはそのままの体制でエサが胃に降りていくのを待ちます。こんなに長い時間、ニコルとしっかり向き合うことはなかったので、なんだか新鮮。朝の忙しい時間、15分取られるのは正直キツイけど、ニコルのためならなんだってするし、もっと困らせて欲しいくらい。
内服薬として
- 抗生剤(パセトミン)
- 気管支拡張剤(テオドール)
- ステロイド
を処方してもらいました。
この薬を2週間投与し、症状が改善するかどうか様子をみます。もうニコルの苦しむ姿を見たくない。早く良くなってね。
